【複合機の価格相場】いくらが妥当?新品・中古・リースの費用と選び方
更新日:2025.05.23

「複合機の導入や買い替えを検討する際、『どれくらいの価格が妥当なんだろう?』と複合機の相場が気になる方は多いのではないでしょうか。新品と中古、リースとレンタルでは費用が大きく異なり、さらに印刷速度や機能、見落としがちなカウンター料金によっても価格は変動します。
『結局、いくらくらいの複合機を選べばいいの?』『コストを抑えるにはどうすれば?』
この記事では、そんな複合機の価格に関する疑問を解消します。複合機の相場が決まる仕組みから、新品・中古・リース・レンタルそれぞれの費用感、そして自社に最適な一台を賢く選ぶためのポイントまで、わかりやすく解説。
これを読めば、複合機の相場観が身につき、納得のいく価格で最適な複合機を選ぶための知識が得られます。ぜひ、コスト削減と業務効率化にお役立てください。
目次
複合機の価格を決める主な3つの要素

複合機の価格は、いくつかの要素によって大きく変わってきます。ここでは、特に重要な3つのポイントについて解説します。
1. 本体価格:新品・中古・リース・レンタルの違いと相場
複合機の導入方法には、主に「新品購入」「中古購入」「リース」「レンタル」の4つがあり、それぞれ価格帯が異なります。
新品の複合機
- A3サイズ対応の一般的なビジネス向け複合機の場合、価格帯は100万円~400万円ほどです。
- 高性能な機種にさまざまなオプションを追加すると、400万円を超えることもあります。
中古の複合機
価格は5万円~30万円程度が中心です。
- 同じ機種でも状態によって価格は変動します。あまり使われていない「準未使用品」のような状態の良いものなら30万円前後、一方でたくさん使われたもの(総印刷枚数が10万枚超など)は10万円以下で手に入ることもあります。
リース
- 月額料金で利用する方式で、相場は1万円~2万円程度です。初期費用を抑えられますが、契約期間中は基本的に解約できません。
レンタル
- 短期間の利用に向いており、月額3万円前後からが目安です。必要な期間だけ利用できますが、月額料金はリースより高めになる傾向があります。
どの方法を選ぶかは、初期費用をどれくらいかけられるか、税金の処理をどうしたいか、合計でいくら支払うことになるかなど、会社の資金計画や複合機をどれくらいの期間使いたいかを総合的に考えて決めることが大切です。
2. 印刷速度・対応サイズ・付加機能が価格を押し上げる要因に
複合機の性能や機能も価格に大きく影響します。
印刷速度
- 同じメーカーの複合機でも、1分間に印刷できる枚数(印刷速度)が速いほど価格は高くなります。例えば、印刷速度が毎分25~30枚の機種と45枚の機種では、定価が数十万円も変わることがあります。
対応用紙サイズ
- A4サイズまで対応の機種と、A3サイズにも対応する機種では、内部の仕組みが異なります。A3対応モデルは部品代が高くなるため、価格も上がります。
付加機能
高性能なモデルほど、以下のような便利な機能が追加され、価格が上がります。
- 原稿の両面を自動で読み取る機能 (ADF両面読み取り)
- 印刷物を自動でホチキス止めしたり、冊子状にしたりする機能 (フィニッシャー)
- スマートフォンやタブレットから印刷・スキャンできる機能 (モバイル連携)
高性能なモデルは、本体価格だけでなく、消耗品や保守部品にかかる費用(維持費)も高くなる傾向がある点に注意が必要です。
3. カウンター料金:知らないと損をする維持費の仕組み
カウンター料金とは、印刷した枚数に応じて毎月支払う保守費用のことです。「1枚あたりの単価 × その月に印刷した枚数」で計算されます。
一般的な相場
- モノクロ印刷:1枚あたり4~5円前後
- カラー印刷:1枚あたり20円前後
注意点
非常にまれなケースとして、モノクロ0.4円、カラー3円といった破格の単価もありますが、これは月に何万枚も印刷するような大企業向けの特別な価格であり、一般的な会社には適用されません。
同じモノクロ印刷でも、メーカーによって1円程度の差が出ることがあります。例えば、シャープの複合機は比較的安価な傾向(2円程度)にあります。
コストへの影響
カウンター単価がたった1円違うだけでも、年間1万枚印刷する場合、年間で1万円のコスト差になります。
自社の印刷枚数をしっかり把握し、市場の相場と比較しながら、業者としっかり交渉することが重要です。
複合機の相場を左右するその他の要因

本体価格や性能以外にも、複合機の相場に影響を与える要因があります。
中古品の流通量と状態
中古複合機の価格は、市場に出回る量によって変動します。
価格が下がるタイミング
- オフィスの移転やリース契約が終了した複合機が市場に多く出回るタイミングで、価格は下がる傾向があります。
- 特に、多くの企業の決算期が終わった後(4月や10月頃)は、中古品が増え、相場が2~3割ほど安くなることもあります。
中古品選びのポイント
- 中古品を選ぶ際は、これまでの総印刷枚数が20万枚以下で、メンテナンス履歴がしっかりしているものを選ぶと、故障のリスクを減らせます。
- 一方で、発売から年数が経っていても、総印刷枚数が極端に少ない(例:5万枚未満)といった状態の良い「掘り出し物」は人気があり、相場より高値で取引されることも覚えておきましょう。
保守契約の方式とトナーの供給方法
保守契約には主に2つの方式があり、どちらを選ぶかによってトナー代の扱いが変わります。
カウンター方式
現在主流の方式で、市場の約95%を占めています。
毎月のカウンター料金にトナー代が含まれており、トナーがなくなると無料で補充してもらえます。その代わり、1枚印刷するごとに料金が発生し、これが保守費用となります。
キット方式 (トナーキット購入型)
本体価格や保守費用は比較的安価な場合があります。
ただし、トナーは自分で購入する必要があり、印刷枚数が多い場合は割高になる可能性があります。(実質的に1枚あたり7~8円程度のトナー代がかかる計算になることも)
複合機の相場を考える上では、多くの企業が採用している「カウンター方式」のカウンター料金を中心に比較検討するのが一般的です。
【費用シミュレーション】最適な導入プランは?

実際にどの導入方法が最もコストを抑えられるのか、具体的なケースで比較してみましょう。
購入 vs リース vs レンタル:5年間の合計費用を比較
<モデルケース>
- 機種:カラー印刷速度 毎分35枚
- 価格:新品定価200万円 / 中古価格25万円
- 印刷状況:月間3,000枚 (うちカラー印刷30%)
- カウンター料金:モノクロ2円/枚、カラー15円/枚
<5年間の総費用 試算結果>
新品購入: 約242万円
内訳: 本体価格200万円 + 保守費用(カウンター料金) 約42万円
リース: 約252万円
内訳: リース料 (月額35,000円 × 60ヶ月 = 210万円) + 保守費用 約42万円
中古購入: 約67万円
内訳: 本体価格25万円 + 保守費用 約42万円

<結論>
この条件の場合、中古購入が圧倒的に低コストになります。
ただし、これはあくまで一例です。月に5万枚を超えるような大量印刷を行う会社の場合は、カウンター単価の安さや故障リスクの低さを優先して、新品を選んだ方が結果的に合計費用を抑えられることもあります。自社の状況に合わせて慎重に検討しましょう。
カウンター単価を1円でも安くする交渉術
カウンター単価は交渉次第で下げられる可能性があります。以下の点を試してみましょう。
- 印刷実績を提示する: 見積もりを取る際に、過去の「印刷実績レポート」などを見せて、毎月・毎年どれくらい印刷しているかを具体的に伝えましょう。印刷ボリュームが多いほど、有利な単価を引き出しやすくなります。
- 相見積もりを取る: 複数の業者(できれば3社以上)から見積もりを取り、価格を比較した表などを提示して、価格競争を促しましょう。
- 長期契約や前払いを提案する: 保守契約を数年分まとめて契約したり、料金を前払いしたりすることを提案し、その代わりに単価の割引を交渉してみましょう。
これらの方法を試すだけでも、カウンター単価が1円以上下がることが少なくありません。
また、業者によっては、月間の印刷枚数に応じて単価が自動的に安くなる料金体系を用意している場合もあり、継続的なコスト削減につながります。
SHARP製 中古複合機の相場と人気の理由

中古複合機の中でも、SHARP製はコストパフォーマンスの高さから人気があります。
部品供給期間の長さと高い耐久性
部品供給
SHARPは、複合機の修理に必要な部品を、通常7~10年間は供給することを保証しています。これにより、中古で購入しても比較的長く安心して使い続けられます。
耐久性
ドラムや定着ユニット、給紙部分といった複合機の心臓部ともいえる主要部品が、40万~60万枚程度の印刷に耐えられるように設計されています。
中古相場
- カラー複合機 (印刷速度 毎分30枚程度): 15万円~25万円
- モノクロ複合機 (同程度): 10万円~18万円
この価格帯と耐久性から、「まだ使えるけれど、法定耐用年数(税法上の使える期間の目安)を過ぎた古い機種」を使い続けるよりも、印刷枚数が少ない中古のSHARP機に買い替える方が、5年間で30万円以上も費用を節約できるケースが多く見られます。
中古品の品質と保証について (業者選びのポイント)
信頼できる中古販売業者を選ぶことも重要です。質の高い中古品を提供し、手厚い保証を用意している業者には、以下のような特徴があります。
徹底した品質チェック
中古品が入荷した際に、多数の項目(例: 200項目)にわたる詳細な動作チェックを実施。
純正部品を中心に、丁寧な整備・クリーニング(リファービッシュ)を実施。
出荷前にも、実際に大量印刷(例: 2,000枚)のテストを行い、問題がないか最終確認。
充実した保証とサポート
- 購入後の初期不良に対応する無償保証期間があるか。
- 購入後も継続して保守サポートを受けられる体制が整っているか。
- ウェブサイトなどで在庫状況や相場価格を分かりやすく公開しているか。
このようなプロセスを経て品質が確認され、保証やサポートがしっかりしている業者を選べば、初めて中古複合機を導入する企業でも安心です。
複合機選びで失敗しないための5つのチェックポイント

自社に最適な複合機を相場に見合った価格で導入するために、以下の5つのポイントを確認しましょう。
印刷枚数と速度は合っているか?
自社の月間印刷枚数に少し余裕を持たせた(1.2倍程度)枚数を基準に、必要な印刷速度(毎分25枚/35枚/45枚など)を判断しましょう。オーバースペックすぎると無駄なコストがかかります。
カラー印刷の頻度とカウンター単価のバランスは?
カラー印刷をどれくらい利用するかで、適正なカウンター単価が変わります。目安として、カラー印刷の割合が30%以下ならカラー単価15円程度でも許容範囲、もし50%を超えるならカラー単価10円未満を目指して交渉したいところです。
保守サポート体制は十分か?
特に地方に拠点がある場合、故障時に修理担当者が来てくれるまでの時間を確認しましょう。対応に48時間以上かかる業者は業務に支障が出る可能性があるため、避けた方が無難です。全国対応で、できれば24時間以内に対応してくれる業者を選びましょう。
中古品の場合、どれくらい使われているか? (総カウンター枚数)
中古複合機を選ぶなら、その機種が本来持つ耐久枚数(想定される寿命)に対して、どれくらい使われているかを確認しましょう。目安として、耐久枚数の半分(50%)も使われていないものがおすすめです。長く使える可能性が高く、将来的に売却する場合も有利になります。
導入方法と税金面のメリットは?
- 「中古購入」なら購入した年に全額経費にしやすい(即時償却の可能性)。
- 「新品リース」なら毎月の支払いを一定にでき、節税効果も期待できる。
- 「レンタル」は短期間のプロジェクトに向いている。
このように、会社の資金計画や目的に合わせて、どの導入方法(購入・リース・レンタル)が税務面も含めて最適か整理しましょう。
まとめ:相場を理解し、最適な一台を選ぼう

複合機の相場は、主に以下の3つのポイントを押さえることで、大体の全体像が見えてきます。
- 導入方法 (新品購入、中古購入、リース、レンタル)
- スペック (印刷速度、対応サイズ、付加機能など)
- 保守料金 (カウンター料金の単価)
特に中古複合機は、本体価格とカウンター単価の両方でコストパフォーマンスが高く、5年間でかかる合計費用を大幅に削減できる有力な選択肢です。中でもSHARP製などは、耐久性や部品供給の面でも評価されています。
信頼できる業者では、豊富な在庫の中から自社の状況や予算に合った最適な機種を提案してくれます。まずは無料見積もりなどを利用して、現在の印刷コストと比較検討してみることをおすすめします。相場比較や自社に合った機種選定のサポートを受けることで、より納得のいく複合機導入が実現できるでしょう。
